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2017-09-02

Essays #28 / 同一

essay_28

Text written by Komatsu Hiroko

小学校に通っていた頃、同級生が「全員が同じだったらいいのに」と発言しました。恐らく他者とうまくコミュニケーションを取ることに難儀しての発言だと思われますが、生まれて十年ほどしか経っていないわたしの稚拙な思考にも深く響きました。同級生の発した「同じ」という言葉がどのような定義かは不明ですが、同一の人で構成されている社会とはどのようなものなのでしょうか。
容姿について考えてみると、同一の姿かたち・好みであるためファッションが成立しなくなります。学校について考えてみると、同一の能力であるので試験でランク分けする必要がなくなります。特異な才能を発揮する芸術や芸能も存在しません。経済的な格差も存在しませんし、そもそも資本主義社会が成り立ちそうにありません。同一の人なのでコミュニケーションを取る必要も無いため言語も存在しないはずです。なんだか「死後の世界」のイメージに限りなく近い社会に思われます。
撮影している対象から目的・場所・時間などを奪うことができる写真のなかには、同級生の望む「死後の世界」のイメージに限りなく近い社会が存在しているのでしょうか。