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2016-12-10

Essays #3 / 最期の光景

essay_3

Text written by Komatsu Hiroko

知人から「富士の樹海で「梱包用ラップ」に包まれた死体が発見された」と聞きました。生前に梱包されたのか死後に梱包されたのか、時期、死体の性別、着衣、状態など詳細な情報は一切ありませんが、生前に梱包されたような気がしました。すると最期の光景はラップ越しの樹海ということになります。
わたしの撮影している資材・廃材置き場では「梱包用ラップ」に包まれた資材・廃材を以前からよく目にしていましたし、撮影もしていて展示作品として発表もしていますが、この後「梱包用ラップ」に包まれた資材・廃材に対するわたしの感じ方が変化しました。撮影するときには「梱包用ラップ」に包まれた資材・廃材を外側から見ていますが、「梱包用ラップ」に包まれた資材・廃材側から見える光景というものも同時に存在していることになります。
視線は一方向のみで存在するのではないという発見から、展示用にロール紙にプリントするときのテストピースを厚いスタイロフォームと合わせて「梱包用ラップ」で梱包する作品、『Wrap』を制作するようになりました。