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2017-01-21

Essays #6 / イメージサイズ

essay_6

Text written by Komatsu Hiroko

展示に使う基本的な要素のうちの一つとして、ロール印画紙を使っています。ロール印画紙は幅が約110cmで長さが30メートルのものと20メートルのものがあります。以前は10メートルのものもありましたが製造されなくなりました。写真では多くの工業製品が使われています。私の作品では工業製品を使っているということも重要な意味をもっているため、基本的に工業製品は製品として売られているサイズのまま使用することにしています。展示する部屋のサイズに合わせて30メートル巻のものを使うか20メートル巻のものを使うかを決めます。
初個展のときにロール印画紙を使って、しかも切らずに異なるイメージをまるで繋がっているように連続してプリントしたら鑑賞者が驚くだろうと予想して制作を始めました。私は居住空間の一部を暗室としているので、その場所でプリント、現像、水洗、乾燥まで出来るかどうかが大きな問題でしたが、工夫を重ね問題をクリアすることができました。スペースの問題で実際にギャラリーに展示するまでロール印画紙を広げて全体像を見ることができなかったのですが、初個展の会場で鑑賞者よりも誰よりも自分自身が驚かされてしまいました。普段は8X10の印画紙にプリントしているためイメージサイズ約16cm X 24cmで見ていますが、ロール印画紙ではイメージサイズが約110cm X 170cmと普段の約50倍のサイズで見ることになります。大きくすることで細部が立ち上がり、レンズの力によって既存の現実ではない現実が現れました。これは制作の中核を為す事柄であるため、展示には必ずロール印画紙を使うようになりました。