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2016-06-12

Solo Exhibition 2016 / 生存芸術家

「生存芸術家」小松浩子:The White(東京)
JUN 7 – JUN 18, 2016

“Survive Artist” Komatsu Hiroko / The White, Tokyo

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東京、神保町にあるThe Whiteは古い雑居ビルの2階にあるスペースで、外から1階共有スペースの階段まで銀塩写真特有の酢酸の臭いが漂っていました。壁面と床を8×10の印画紙で覆い、ギャラリーの内部を横断するように壁〜床〜壁へとプラスティック・シートで発泡スチロールとともに梱包した20×24inchの印画紙を等間隔で配置しました。20×24inchの印画紙と平行になるように2本のワイヤーを床から高さ2メートルの位置に張り、ロール印画紙を引っ掛け、視界を遮るよう配置しました。


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会場床には2台の14インチ・ブラウン管テレビモニターが配置され、一方では2015年6th Fotofestival(ドイツ)「生体衛生保全(Sanitary Bio-Preservation)」、もう一方では2015年トキアートスペース(東京)「成分家族(The Ingredients for Families)」の展示会場を、自分で撮影した8ミリフィルム映画をデジタル化した映像が放映しています。

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「生存芸術家(Survive Artist)」では、8×10inch:約900枚、20×24inch:8枚、ロール紙(幅108mm):約30メートルのバライタ印画紙と、8ミリ映画2本(各約8分)の映像作品と、A0のトレーシングペーパーに出力されたステートメントをロール紙とともに床に配置しました。

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ステートメント/Statement

もはや選択は
必然の誤謬でしかないのか

Making choice seems
a necessary error.

体温とは体の温度を指し、鶏・41.5℃、豚・39.0℃、山羊・39.0℃、羊・39.0℃、兎・39.5℃、牛・38.5℃、犬・38.5℃、猫・38.1℃、馬・37.7℃、ヒト・37.0℃が平均とされる。動物の体温の発生源である体内の様々な化学反応は周囲の温度の影響を受け易いという。暑熱環境下に於いての身体適応の障害による状態の総称である熱中症は、脱水による体温上昇、体温上昇に伴う臓器血流低下と多臓器不全で、重症例では脳機能障害や腎臓障害の後遺症を残す、若しくは死に至る場合がある。医学とは生体の構造・機能・疾病について研究し、疾病を診断・治療・予防する方法を開発する学問とされる。熱が動物に及ぼす影響についての医学的実験のごく一部を【1】〜【4】に示す。【1】1880年 H・C・ウッドによる実験/ガラスで蓋をした容器に兎を入れ日向に放置。43℃で痙攣の発作。44℃で体側を下に横たわり唾液を分泌。49℃で死亡。【2】1954年 イェール大学医学部M・レノックス、W・シブリイ、H・ジンマーマンによる実験/「輻射暖房」チェンバーで32頭の仔猫を49回加熱。9回目の試行から痙攣が発生。痙攣を起こした5頭、痙攣のない6頭が死亡。残る21頭は実験者が屠殺して解剖。【3】1969年 ロチェスター大学の獣医師S・マイケルソンによる実験/熱を発生させるマイクロ波に兎を暴露。5分後にケージから逃げようとする試みが観察され、全ての個体が40分以内に死亡。【4】1984年 米連邦航空庁による実験/ビーグル犬に口輪をはめ口の粘膜と舌の表面からの蒸散による体温調節を出来ないようにしたうえで、餌と水を与えず35℃の熱と高い湿度に24時間暴露、行動を観察。一部の犬が24時間以内に死亡。残りの犬では吐血など内蔵の損傷・衰弱が見られる。現在も続けられている、この一連の医学的実験で「熱中症患者は涼しくしてやるべきである」という発見を得たという。

恒温動物の深部体温(中核体温)が正常な生体活動の維持に必要な水準を下回ったときに生じる様々な症状の総称である低体温症は、重度の場合や自律神経の働きが損なわれている場合には死に至る事がある。1941年ドイツ空軍により低体温症の予防と治療の手段を発見する目的でヒトを氷水のタンクの中で5時間、または−6℃の屋外に脱衣で数時間放置し観察する凍結実験が行われた。寒冷暴露の肉体的影響を調査する以外に生存者を復温する方法も評価されたという。第二次世界大戦中ナチス・ドイツにより強制収容所で行われた一連の医学的な人体実験により1947年ニュルンベルク裁判の結果として提示されたニュルンベルク綱領は研究目的の医療行為(臨床試験及び臨床研究)を行うにあたり厳守すべき10項目の基本原則で医学的研究のための被験者の意思と自由を保護するガイドラインである。試験・研究に当たり被験者の自発的な同意が必要であること、試験しなくても良い試験や実りのなさそうな試験などは行うべきではないこと、試験に当たっては不必要な苦痛を起こすべきではないこと、死亡や後遺症につながるような試験はすべきではないこと、などが定められている。連邦農務省が作成した1988年の報告によると14,0471頭の犬、42,271頭の猫、5,1641頭の霊長類、431,457頭のモルモット、331,945頭のハムスター、459,254頭の兎、178,249頭の「野生動物」が実験目的で使用され、うち90,000頭以上は「痛みや苦悶を緩和されない」状態を経験したとされる。ニュルンベルク裁判ではナチスのユダヤ人に対する虐殺・人体実験などが反倫理的・反社会的な犯罪として裁かれたが、ニュルンベルク綱領は動物に対して適用されないため、動物を使って医学的実験を行っている団体は裁かれる事もなく政府から助成金を受け医学の発展に寄与している。

搬入/Install

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