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2016-04-23

Quotation #11 / 速度による世界の変容

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ポール・ヴィリリオ 「電脳世界……最悪のシナリオへの対応」より引用
Text quoted from “Paul Virilio entretien avec Philippe Petit:Cybermonde, la politique du pire”

“速度は、見えかたをあたえます。速度によってたんに目的地により速く到着できるというだけではなく、速度によって新たな見えかたと構想のしかたがあたえられます。かつては、写真や映画による見えかたがあたえられましたが、今日では電子工学と計算機とコンピュータによって構想するしかたがあたえられています。速度は世界の見えかたを変えています。十九世紀においては、写真と映画によって世界の見えかたは「対物レンズ的=客観的(オブジェクティヴ)」になりました。(「対象的=客観的(オブジェクティフ)」ということばはたんに写真機にのみあらわれたのではなく、哲学的な思考や政治的な思考にもあらわれました。)今日では、それは「望遠レンズ的=遠隔-対象的(テレオブジェクティヴ)」になっていると言うこともできるでしょう。すなわち、テレヴィジョンとマルチ・メディアは、望遠レンズの写真が日常的な視野の地平をグチャグチャにするように、時間と空間のつながったまとまりをグチャグチャにするのです。ですから、速度によって、世界の別なふうな見えかたがあたえられるわけです。まさに十九世紀以来、このような世界の見えかたが変わり、公共空間というものは、写真、映画、テレビを通したひとつの公共的なイメージになってきたのです。”